CATIA環境下の新たな金型設計手段「ProcessDesignerforCATIA」開発の舞台裏

今回の投稿ではオートフォーム社を代表する3名の役員から伺ったAutoForm-ProcessDesignerforCATIA の開発秘話をご紹介します。

CAEソフトウェア市場を主導する企業が「CAD」の世界に飛び込み、CATIA環境に直接統合されたツールを開発するきっかけとなった契機は、どのようなものだったのでしょうか。またAutoForm-ProcessDesignerforCATIAが市場にどのような革新的手段をもたらし、またダイ・レイアウトの設計工程にどのような変革をもたらしたのでしょうか。

オートフォーム社CEOのヴァルデマー・クブリ、ソフトウェア開発マネージャのマティアス・ピーチ、コーポレート・マーケティング・ディレクタのマーカス・トマとの対談から、工程設計に関するAutoFormソリューションについて、多面的に探ってゆきます。

ダイ・レイアウトの設計工程は、基本的に、ドロー、トリム、フランジおよびフォームの各工程の金型サーフェスを作成する作業です。後に切削機のツール・パスを作成するため、金型サーフェスは必ずCADで作成します。

この作業を行う上で、様々な製品を(単独または併用で)利用することができますが、しかし ヴァルデマー・クブリはこう指摘します。「AutoForm-ProcessDesignerforCATIAが開発されるまで、CATIAには金型サーフェスの作成に特化した機能というものはなく、エンジニアの作業は煩雑でした。様々なCADシステムが広く使われていたにも関わらず、プレス成形に必要なすべての段階を効率的にサポートすることに適したシステムはひとつもなかったのです。特にプレス成形工程全体のダイ・レイアウトを金型の設計段階にて、効果的に定義および検証できる機能は非常に限られていました。AutoForm-ProcessDesignerforCATIAは、CATIA環境にいながらドロー型から2次工程用金型までのすべての設計を行うことを実現した、全く新しい製品です。」

図1 –トリム計画およびそれに応じたトリムラインの定義

「このソフトウェアによって、CATIA環境にいながらCAD品質のダイフェースを作成することが可能になります。機能の使い勝手もよく、CATIAに不慣れな設計者でも簡単に操作できます。さらには会社全体の工程設計を標準化することを可能とし、CAD品質のダイフェース作成時間を大幅に短縮するといった利用もあります。AutoForm-ProcessDesignerforCATIAは、CATIA環境にいながらドロー型から2次工程用金型までのすべての設計を行うことを実現した、全く新しい製品です。をお使いいただくことで、作業の透明性、データの一貫性、そしてエンジニアリング工程をサポートする様々な機能を実感していただけると確信しています。」と、マーカス・トマは述べています。

フォルクスワーゲン社をはじめ、多くの大手企業がAutoForm-ProcessDesignerforCATIAを採用し、積極的に活用しています。

ダイフェースを円滑に作成するための4つの指針

AutoForm-ProcessDesignerforCATIAは、CATIA環境にいながらドロー型から2次工程用金型までのすべての設計を行うことを実現した、全く新しい製品です。がもたらす技術革新を、開発マネージャのマティアス・ピーチは、以下のように説明しています。

 「高品質の金型サーフェスを作成するため開発されたAutoForm-ProcessDesignerforCATIAは、CATIA環境にいながらドロー型から2次工程用金型までのすべての設計を行うことを実現した、全く新しい製品です。によってもたらされる作業フィロソフィーは、4つの指針に基づきます。これらの指針を適用すると、ダイフェースを簡単かつ迅速に作成できます。これら4つの指針は、大手企業や大手金型工場の経験豊富なCADエンジニアでさえこの指針の適用を即決し、すぐに標準手法として採用しました。AutoForm-ProcessDesignerforCATIAは、CATIA環境にいながらドロー型から2次工程用金型までのすべての設計を行うことを実現した、全く新しい製品です。は、標準化された作業モデルとして、これらベストプラクティス手法を業務に取り込むことができます。」

まず第1の指針は「独自機能」の作成です。独自機能の作成とは、「一般的」な金型サーフェスやカーブの作成において、工程設計者の日常業務をサポートすることを目指しています。AutoForm-ProcessDesignerforCATIAは、CATIA環境にいながらドロー型から2次工程用金型までのすべての設計を行うことを実現した、全く新しい製品です。によるCADベースのカーブ作成と有限要素法を組み合わせ、フランジの計算を実行することで、トリムラインを正確に検討することができます。例えば設計者は、丸や台形といった異なる断面のドロービードや適切なエンド形状を、バインダと金型サーフェスへ、同時に直接指定できます。加えてユーザーは全工程の金型を見込み補正でき、また例えばサーフェスの見込み補正を手作業で行うことができるだけでなく、CAEモジュールのAutoForm-Compensatorplusで作成した見込み補正フィールドを自動でインポートすることも可能です。互換性に問題はなく、データの調整も必要ありません。しかし最も重要な点は、お客様からもご意見を頂戴しているとおり、CATIAの機能に不慣れな多くのユーザーが、操作に苦労することなく作業を完了できているという点です。」と、マティアス・ピーチは述べています。

図 2 – 独自機能例

2の指針は「金型の再エンジニアリングおよびサーフェス編集」です。と、マティアス・ピーチは続けます。「ダイ・レイアウト設計者がサーフェスをモデリングする場合、数多くのコマンドを必要とするCATIAネイティブとは対照的に、AutoForm-ProcessDesignerforCATIA には汎用的なサーフェスを作成するために必要なコマンドがすべて揃っているため、操作がとても簡単です。連続した部品の境界サーフェスを定義する機能、ギャップの接続や穴埋めの機能、「余肉」のモデル化およびダイ形状の作成機能など、エンジニアのニーズをすべて満たしているのです。これらの機能を組み合わせることで、適切なサーフェス連続性を保持しつつ、サーフェスの編集を可能とし、再エンジニアリングを容易にします。このサーフェスは、例えばオーバークラウンや見込み補正等、モデリングの下流工程でそのまま使用できるため、非常に有効です。」

 

図 3 – 再エンジニアリングのための金型サーフェスの編集

3の指針は「標準化」です。とマティアス・ピーチは述べています。標準化されたテンプレートを使うことで、会社全体で一貫性をもってデータを共有できます。新規形状のインポートおよびパラメータの設定によって、自動的に会社標準を満たし、かつ一貫性のある、新たな工程設計を定義できます。標準化によって、社内部署間の協力体制、そして社外OEMやサプライヤとの連携が改善されるでしょう。」とマティアス・ピーチは述べています。

図 4 -テンプレートによる標準化

最終部品の形状に応じた特有の複雑さ、そして独特な成形工程を有するドロー型の設計は、膨大な時間およびリソースを消費する工程です。ドロー型のサーフェスに関しては、エンジニアリング段階や工程設計にて、複数回の修正を伴います。金型サーフェスの精度を維持しながら迅速に検証を行うことが、4の指針となる「手法」の定義に重要です。

マティアス・ピーチは以下のように説明します。「設計作業全体を論理的で独立したより簡易的なステップ(サブタスク)に分割することで、複雑なダイフェース設計を容易にする高度な手法を採用しています。各ステップで確認するセグメントが少なくなるため、最低限の部分のみを集中的に確認できるのです。さらに部品に依存する形状と深絞りに関連した形状は、それぞれ別途作成します。この明快で論理的な段階型のアプローチには、前述のテンプレートが不可欠です。また各段階のタスクまで誘導するガイダンスとしても有効です。その結果、設計の構築が明快になるため、修正や更新を容易に実行できます。」

 

図 5 – ダイフェース作成の手法

AutoForm-ProcessDesignerforCATIAの利便性をまとめる上で、コーポレート・マーケティング・ディレクタ、マーカス・トマのコメントをご紹介します。「AutoForm-ProcessDesignerforCATIAをお使いいただくと、サーフェス・モデリングの速度に、まずお気づきになるでしょう。これは製品開発サイクルの短縮に直結します。作業効率は最大5倍改善し、初期のダイフェース設計および既存設計の修正を考慮しながら、高品質なダイフェースを迅速に作成することが可能です。作成したすべてのダイフェースはパラメータ化されているため、さらに追加の修正も数秒で実行できます。

またAutoForm-ProcessDesignerforCATIAで作成したサーフェスは、コントロール要素数の大幅削減や適切なサーフェスの連続性に特徴づけられます。そのため比較的短く簡易的な学習曲線にて、高いサーフェス精度を実現することが可能です。反対にCATIAネイティブで作成した高品質のサーフェスは、コントロールするパラメータの数が非常に多いため、より経験豊富なユーザーを必要とします。言い換えますとAutoForm-ProcessDesignerforCATIAは、より簡易的なサーフェスの表現にて、CATIAネイティブと同等の品質を実現できます。つまりすべてのサーフェスはクラスAの仕様を満たすため、そのまま機械加工のツール・パスの検討にお使いいただけます。

AutoForm-ProcessDesignerforCATIAが高い評価を得ることは私たちの励みとなり、今後さらなるパフォーマンスの向上と、3D金型設計やNCの準備などの重要な機能強化につなげることができるのです。」

 

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