「成形検討の効率化」~プレス方向の検証機能~

課題

プレス部品開発において成形シミュレーションによる成形検討は必要不可欠なものとなっています。部品開発のリードタイム短縮も然り、コスト削減を要求される状況下で技術者は限られた時間の中でより精度の高い成形検討を行うことを求められています。ここで言う成形検討とは、プレス方向、成形性、歩留まり、パネル搬送、型構造、設備など多くの要素が挙げられます。

その中でもプレス方向の検証は非常に重要となります。それは、プレス方向は工法の中核であり、工程数や成形性、コストへの影響が大きいからです。さらに、プレス方向の選定を誤ると、金型の改修や精度見込みが出来ず、最悪のケースでは金型の再製作となり、開発日程の遅延にもつながります。
また、プレス方向の検証作業の多くはCADを使用して行っていますが、そこには下記の様な緻密で困難な作業となります。

・負角形状(インバース部)の確認

・成形中のシワ抑制

・精度見込み代の考慮

・パネル姿勢の検討(パネル搬送性、プレス設備要件、型サイズ)

・新工法の検討(脱歴代車の踏襲)

上記の課題はAutoformに実装されている機能を活用し短時間で検証が行えます。これは新工法の検討や新規開発にも活用できます。ひいては成形検討データの一元化による検討業務全般の効率化につながります。

そこで今回はプレス方向の検証に役立つ機能をご紹介します。

機能紹介

まずは自動ティッピング機能を活用し、全体像を把握します。(図1)
例)自動ティッピングのプレス方向に負角(アンダーカット)があるかないかを検討。

図1.AutoForm自動ティッピング

図2.パネル全体のバランスを確認

図3.角度の詳細は3Dビューにて確認

このように全体像、負角(アンダーカット)のないプレス方向を確認します。(図2,図3)続いて、プレス方向の検証には色々な要因を考慮する場合があります。この場合も、平均法線以外の有効な、機能を活用してプレス方向を瞬時に検証できます。(図4)

図4.自動ティップの有効な機能

この中の代表的な機能をご紹介します。

① 平均法線

② 最小アンダーカット

③ 最小ドロー深さ

AutoFormの自動ティップ機能により、様々な条件のプレス方向を瞬時に検証できます。そこから幾つかの方向を選択し、そのまま成形検討を行う事で、目的にあった、最も成形性の良いプレス方向を早期に見極める事が可能になります。プレス方向を早期に判断する事で繰り返し検討を削減でき、効率のよい成形検討が行えます。