2025年10月31日(金)、ベルサール秋葉原にてAutoFormユーザー会議「AutoForUm 2025」を開催いたしました。
ユーザー事例発表のひとつとして、株式会社ナガラ 代表取締役社長 武原 謙二様、第一製造部部長 見野 豪則様より、熟練者の経験を若手エンジニアに継承するためのコミュニケーションツールとしてAutoFormをどのように活用されているかについてご講演いただきました。本記事では発表内容の概要をお伝えします。

変革の時代を渉る ~ AutoFormで更なる飛躍を!~
1. AutoForm導入の背景
創業1980年の株式会社ナガラにおいては、2008年に他社成形シミュレーションソフトウェアを導入するまで、成形性の検討、工程計画、精度玉成等の全ての業務を先人達の経験や過去の実績を頼りに行っていた。結果として、トライ&エラーの多発、工数増大が常態化していた。
2008年に導入したシミュレーションソフトウェアの利用により、シミュレーション結果数値をもって、成形性の保証、工程計画の立案等、プロアクティブにお客様への提案が可能となった。ただ、金型製作においては、シミュレーションの結果があるがために、結果の善し悪しが注目され、そもそもの金型側の問題を棚上げにしてしまうという新たな課題が生まれた。またシミュレーションへの期待が大きくなるにつれて、実機との比較において発生する差異についての説明責任が求められ、その検証のためにシミュレーションを多数回すためのモデル作成工数が増加し、社内においてフラストレーション増大に繋がった。
その対応策として2015年に導入したAutoForm-DieDesignerによりこれまで行うことが出来なかった様々な工法・工程検討が可能となり、提案力が飛躍的に向上した。モデリング工数の劇的な低減、圧倒的なシミュレーションスピードにより、発生し得る不具合の事前検証・対策立案により、金型の修正工数が大幅に削減された。また型製作のフロントローディング化により、SE検討業務の拡大にも対応可能となった。
2. AutoForm活用実績
【一貫した成形性確認と工程検討】
AutoForm-DieDesignerにより、製品データからの金型モデル作成、シミュレーション実施、DCR提案、工程計画の作成を一貫して完結するようになり、検討効率と信頼性の向上を達成している。
【SE検討】
2010年以降、製作のフロントローディング化が進むにつれ、金型メーカーが製品に対しての改善提案を求められる様になり、金型受注と同時に、このSE検討も担う事が多くなってきた。この頃から、ナガラでは、AutoForm-DieDesignerによるモデル作成とシミュレーションを扱える人材を育成してきた。AutoForm-DieDesignerモデル作成はCAD設計者ではなく、若手を割り当て、現物のプレストライに精通した人材をシミュレーション評価者とし、評価者からのフィードバック、密接なコミュニケーションを通じて若手の教育に力を注いでいる。
【スプリングバック検証】
玉成難航が予測される超ハイテン用の金型についてもフロントローディングが求められ、製品形状が決まる前の仮型の製作とシミュレーションを組み合わせた、玉成の超早期化にも取り組んでいる。型構造の違いにより仮型と本型のスプリングバック量は異なるものの、精度玉成作業を大幅に前倒しすることが可能となり、リードタイム全体の大幅削減を達成した。
今では、SE検討から金型設計製作、トライアウト、金型移管まで一貫した金型プロジェクト案件を受注するなど、多くのお客様から信頼を寄せられている。
3. AutoForm導入効果
多くの現場で目的化しがちな「解析精度100%」。しかしそれは本当にビジネスの成果に繋がっているのだろうか? 結果が合っているか、外れているかは重要ではない。どう対策を打ったか?これからどう打つのか?という「対話」を、シミュレーションを軸に考えていくことが重要であると武原社長は話す。株式会社ナガラでは、AutoFormを導入し、常日頃考えているのは、そのスピード優位性を生かし、「当たる/当たらない」のシミュレーション結果100%の精度追求ではなく、製品、工程等の様々な状況を想定し、いかに直しやすいかを考え、どちらに外すかを考えておくことが重要と考えている。

4. ナガラが目指すシミュレーションの役割
株式会社ナガラが目指すシミュレーションの役割は、製品形状・材質、金型構造、充当機の環境など、様々な状況において製品精度は変化することを理解し、現物とシミュレーション結果について、幾度となく論議する事で、遠回りとなる精度追求の時間を減らし、「効率的に問題を解決する道筋を作ること」であると考えている。また、デジタルツールの活用により、会社として新しい成形技術検討への挑戦や、シミュレーション結果をもとに現場とのコミュニケーションを深め、お客様に対しては、付加価値がある提案内容の実現をさらに目指していく。最後に、各人が「楽しい」「面白い」と思えるようになることが最強のスキルアップであり、金型メーカーの枠を超えたエンジニアリングカンパニーへと進化していく。







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