中国のHuizhong社がソフトウェアの自動化で、工程設計時間を50%削減し、手作業によるミスを回避

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 Huizhong社は中国の大手自動車部品メーカーです。SAICグループ(上海汽車集団)の傘下企業として、SAICゼネラルモーターズ、SAICフォルクスワーゲン、上海汽車集団などのグループ企業のみならず、関連会社以外のOEMにも、シャシー部品を広く供給しています。同社におけるプレス成形工程の設計業務は、プレス成形金型の切削直前にあたるエンジニアリングの最終段階で行うため、厳しい時間的制約にさらされています。そこでHuizhong社はセミオートマチックなワークフローを導入し、工程設計業務の20~50%時間短縮に成功しました。本稿では、Huizhong社における従来のワークフローと新たなセミオートマチックのワークフローの比較を交えた導入事例をご紹介します。

 従来のプレス成形の工程コンセプトは、プレス加工用金型のデザインに紐づけられていません。そのため「工程設計」では金型サーフェスのデザインをゼロから(あるいはCADライブラリから)再構築し、それをもとにプレス加工用金型の切削を行います。これは煩雑な作業で、単純な部品であっても数日を要します。また手作業で行うためにエラーも発生しやすく、コンセプト段階で問題を解決しても、最終設計の段階で再び問題が発生する場合もあります。そこでHuizhong社では、オートフォーム社のAutoForm-ProcessDesignerforCATIAをベースとした工程設計のセミオートマチックなワークフローを導入し、20~50%の時間短縮に成功しました。

 Huizhong社とオートフォーム社は、ワークフローの検討段階において、セミオートマチックの手法と従来のCADネイティブ機能のみを用いる手法を比較しました。

 このプロジェクトに使用した部品はHuizhong社サスペンション・システムのフロント・クレードルです。サスペンションの剛性をサポートする部品で、製造にはクラッシュフォーミング、トリム、フランジの工程を用います。

 両社がAutoFormソフトウェアを活用し、工程コンセプトのシミュレーション、計画、開発を行い、その後、デジタル上でデータを共有しました。特定の工程に関するデータを、素早く明瞭に、詳細まで伝達できるため、すぐにサーフェス作成や他の形状編集の作業に着手し、最終工程設計を進めることが可能になります。その上、このソフトウェアはプレス成形の工程設計に特化した機能を備えているため、非常に便利です。また従来の手法であるソフトウェアの一元化やサーフェス専用機能に対応していないCATIAネイティブを使用した場合と比較すると、作業時間は半分程度になります。さらには、この手法はセミオートマチックであるため、高精度なサーフェスを作成できるだけでなく、手作業によるミスも回避できます。またデータの関連付けと、部品設計の変更に応じたアップデートも可能です。

 Huizhong社金型センター長のチー博士は、以下のように述べています。「AutoFormのシームレスな統合ワークフローを導入してから、作業効率が約20%向上しました。AutoForm-ProcessDesignerforCATIAのデザイン・テンプレートを使用した事例では、製品の品質と安定性を担保しつつ、効率の50%向上を実現できました」。

 Huizhong社ではこの評価プロジェクトの完了後、AutoFormをベースに統合されたセミオートマチックの方式をワークフローに導入しました。