KIA:プレス成形エンジニアリングのスピードと精度を両立させたドアインナーの成功事例

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AutoFormとの協業により、KIAはデジタルツインエンジニアリングがトライアウトのパフォーマンスを向上させるだけでなく、デジタル段階でのエンジニアリング工数を削減できることを検証しました。これは、デジタルエンジニアリングにより多くの時間を投じれば、エンジニアリング工数の増加は下流工程への時間削減につながり、その分だけ後工程のトライアウトや生産ライン停止時間が短縮されるという一般的な見方に一石を投じるものです。

このプロジェクトの主要な目的として、KIAは実際のトライアウト結果を再現できる高精度なビードモデル設定を確立することを目指しました。これには、生産用金型を完全にデジタルで表現することも含まれます。主な焦点は、シミュレーションによる流入プロファイルを、測定されたトライアウト結果と一致させることでした。

SPI Sigmaを用いたアダプティブラインビードと3Dビードの結果差の低減

韓国KIA社では、AutoFormアダプティブラインビード(ALB)の導入後、アダプティブラインビードの結果と実パネル挙動との差をさらに小さくすることを目指しました。KIA社内では、エンジニアリングおよび現場での検証において、シミュレーション上の流入と実際の流入の差を5 mm未満に抑える目標を設定しました。この段階で流入の調整にかかる工数を最小限に抑えるため、韓国のオートフォーム社にサポートを依頼しました。

ドアインナーパネルに対して、「アダプティブラインビードと3Dビードの流入結果を整合」させる手法と、「断面プロファイルに基づく3Dビード」の手法をまず用いると、シミュレーション上の流入は許容公差を超えていました。

次の試行では、これらの手法の結果が整合するようにビードセグメントを手動で調整しました。調整には3日以上を費やしましたが、各ビードセグメントが流入結果に敏感かつ相互に影響し合うため、結果を整合させることはできませんでした(図1)。

この調整作業をより体系的に進めるため、各ビードセグメントのパラメータに変動範囲を設定しました。これにより、最適な流入調整を見極めるための組合せ評価を、構造的に実施できるようになりました。

図1:シミュレーション設定と結果解析の概要

この段階では「アダプティブラインビードと3Dビード」の流入結果をターゲット境界として設定しました。調整後の結果はこのターゲットと良好に整合しました。また、トライアルモードでスピンオフファイルを検証し、シミュレーション結果と実パネルの成形性が一致することを確認しました。

SPI Sigmaを活用することで、各ビードセグメントが結果に及ぼす影響を効果的に感度解析できるようになりました。各セグメントに定義したSPI Sigmaパラメータを用いてSigmaソルバーを適用した結果、アダプティブラインビードと3Dビードの結果差を最小限に抑えながら、エンジニアリング工数を大幅に削減することができました(図2、図3)。

図2:ビードセグメントにSPI Sigmaパラメータを定義

図3:アダプティブラインビードの流入結果(左)ターゲット境界として適用

AutoForm-ProcessDesignerforCATIA向けQuickLinkを活用したドロービードモデル作成の最適化

エンジニアリング業務の検証後、次段階ではNC加工に向けてビードセグメントのプロファイルを調整しました。KIA社ではAutoFormのCATIA向け金型設計環境を使用して、ビードモデルを作成しました。

この手法により、CATIAを用いて手動でモデリングしたビードプロファイルと、シミュレーションで定義されたプロファイルとの不一致が解消しました。またビードのモデル作成時間も50%以上削減できました。

まとめ

・AutoFormの「アダプティブラインビードと3Dビード」を用いた手法にて、エンジニアリング業務を迅速に効率よく進めることができます。
・AutoFormの手法を体系的に活用することで、アダプティブラインビードと3Dビード形状の差を最小限に抑え、流入精度と成形性の相関を高めることができます。
・AutoFormツールにより、ビードモデルをCATIA環境へ直接エクスポートでき、モデルの作成時間を大幅に短縮できます。

高度なアダプティブラインビードの手法にロバスト解析を組み込み、 AutoFormのCATIA向け金型設計環境を連携させることで、エンジニアリング工数を大幅に削減できました。KIA社では、ここで紹介した最適化されたビード工程を、デジタルトランスフォーメーションに向けた重要な一歩と位置付けています。

生産現場のデジタルトランスフォーメーションをさらに推進するため、KIA社では現在、アセンブリおよびヘミング向けのAutoFormソリューションを評価し、スマートエンジニアリングプロセスに焦点を当てた複数の取り組みを進めています。幅広いデジタルソリューションを活用し、エンジニアリングの効率をさらに高める新たな機会を引き続き模索しています。